レベル4自動運転※1の実用化をめざすトーイングトラクターの意匠が全国発明表彰「内閣総理大臣賞」を受賞

ニュースリリース 製品・技術

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【自動運転トーイングトラクター】

株式会社豊田自動織機は、公益社団法人発明協会が主催する令和7年度全国発明表彰において「内閣総理大臣賞」を受賞しました。全国発明表彰は、科学技術の向上と産業の発展を目的に、独創性に富む発明、考案、または意匠の完成者を表彰する制度で、「内閣総理大臣賞」は、最高位の「恩賜発明賞」に次ぐ賞であり、本賞の受賞は当社として初となります。
今回の受賞は、トーイングトラクターのレベル4自動運転の実現に必要なセンサ類の機能要件と美的要素を調和させた機能的意匠が評価されたものです。

自動運転トーイングトラクターは、空港で手荷物や貨物を収容したコンテナなどをけん引し、無人で搬送する車両です。この車両には、多様な環境下におけるレベル4自動運転の実現のため、周囲状況や自車の位置を的確に認識し、安全かつ正確に走行するための技術として、3次元LiDAR※2を活用した複数センサによる障害物検知、路面パターンマッチング※3、GNSS※4などを搭載し、冗長化された自己位置推定機能を採用しています。本意匠は、これらの高度な技術を美しい外観にまとめ、働く人だけでなく、空港を訪れる人に明るい未来を感じてもらえることをねらいとしています。

豊田自動織機は、空港業務の持続的な発展のため、2025年中の自動運転トーイングトラクターの実用化に向けて取り組みを進めています。今後も、新たな価値を提供する製品の開発を通じて、社会課題の解決に貢献してまいります。

【受賞および受賞者】

内閣総理大臣賞 森  博樹(株式会社豊田自動織機トヨタL&Fカンパニー製品企画部)
藥師 忠幸(株式会社豊田自動織機トヨタL&Fカンパニー製品企画部)
発明実施功績賞* 伊藤 浩一(株式会社豊田自動織機 取締役社長)

*「恩賜発明賞」や「内閣総理大臣賞」などの特別賞を受賞した企業や団体の代表者に贈られる賞

【意匠のポイント】
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※1 特定条件下における完全自動運転。特定条件下においてシステムが全ての運転タスクを実施
※2

対象物にレーザー光を照射し、その反射光を測定することで対象物までの距離を正確に測定できるセンサで、車両周辺状況の
把握に使用。

※3 車両に搭載したカメラで撮影した路面画像と事前に作成した路面画像マップデータをマッチングすることで、車両の位置・姿勢
情報を取得する技術。
※4 Global Navigation Satellite Systemの略で、米国のGPS、日本の準天頂衛星(QZSS)等の衛星測位システムの総称。

<参考:2024年7月16日公表リリース>
「国内初!空港制限区域内における自動運転レベル4無人貨物搬送の試験運用を実施」
https://www.toyota-shokki.co.jp/news/2024/07/16/008691/index.html

■当社の受賞歴(特別賞のみ)

年度賞名内容
大正15(1926)年度 恩賜記念賞 経糸解舒及緊張装置、自働織機(豊田佐吉)
昭和13(1938)年度 恩賜記念賞 抒換式自動織機(豊田喜一郎)
昭和30(1955)年度 恩賜発明賞 精紡方法並びに精紡装置
平成30(2018)年度 特許庁長官賞 燃料電池車用空気圧縮機の発明
令和2(2020)年度 経済産業大臣賞 異種原料の配合率が連続可変な意匠糸用紡績機械の発明