お客様
お客様へ安全・安心な製品をお届けするため「正しいモノづくりが正しく行えるしくみづくり」に取り組んでいます。
基本的な考え方
品質ビジョン 豊田自動織機グループに働く一人ひとりは、法令を遵守し、それぞれの持ち場でお客様指向で考え・行動し、世界各地域のお客様の期待を超える、魅力的な商品・サービスを、安全で安心な品質で提供します |
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当社は品質の基本的な考え方を定めた「品質ビジョン」を、エンジン国内認証問題を受け見直しました。
法令を遵守し、お客様へ安全・安心な製品をお届けするために、全員で原点に立ち返り、当社がより良く生まれ変わったと多くの皆様に認めていただけるように、品質に自信を持って製品を世に出す全社品質管理システム(QMS)の再構築に全力で取り組んでいます。
品質ガバナンスの基盤整備
2023年1月に品質機能の横串強化のため、品質管理部を「品質統括部」に改組しました。また、2024年1月に新たに設置されたCQO(チーフ・クオリティ・オフィサー)のもと、品質統括部が主導して、品質管理のインフラ整備と事業部への牽制機能の強化を進めています。
品質管理のインフラでは、品質文書体系の整備、品質データ・ナレッジ管理のしくみ構築、品質人材マネジメントシステムの構築、品質教育体制の整備を進めます。エンジン事業部で先行して標準類の再整備や法規適合のための重要プロセスの規程化・標準化に取り組み、それらを全社に広げる活動を推進します。新製品開発の軸であるデザインレビュー(以下、DR)については、全社規程を見直し、各事業部規定の再整備に着手しています。また、品質コンプライアンス意識の再醸成をねらった品質管理教育の見直しを実施しています。
事業部門に対する牽制機能を強化するため、品質問題に関するレポートラインの確立、事業部に対するモニタリング機能として品質統括監査を開始しました。
品質ガバナンス基盤
会社全体の品質意識を高める体制づくり
強固な品質ガバナンス体制を目指して
当社は、品質ガバナンスの体制を立て直し、強化するため、より強固な3つのラインからなる新たな「品質ガバナンス体制」の構築を推進します。
従来の事業部内の品質保証体制(1ライン目)に加え、事業部内の各部門から独立した内部品質監査機能(2ライン目)をつくり、さらにその2ライン目を、事業部から独立した立場で本社の品質統括部(3ライン目)が監査する、リスクに強い体制を目指します。品質ガバナンス体制
品質統括監査を通じて製品品質と向き合う
品質は製品の企画から開発、生産まですべての部門が関わってつくり込みます。これを第三者としての視点でチェックすることにより、リスクや課題を洗い出すのが監査の役割ですが、その範囲は、法規や規格の要求事項の遵守にとどまりません。各部門が守るべき品質のしくみやルールが有効に働いているか、基準はそれでよいのかなども確認し、また、事業部の内部品質監査の結果をさらに本社が確認することで、適切な牽制機能が働き、問題を未然防止、適時発見する効果を期待しています。
新たにスタートした品質統括監査では、より多くの機能や社員が製品品質と真摯に向き合う機会が増え、一人ひとりが業務と製品品質とのつながりを強く意識することで、会社全体の品質意識の向上につなげていきます。
品質統括監査の構造
不具合の再発防止・未然防止への取り組み
商品の発売後に不具合が発生した場合は、お客様の不安を取り除くため、各事業部の品質保証部門が中心となり迅速に対応し、同じ不具合を再発させない確実な対策を実施しています。特に、お客様に多大なご迷惑をおかけする不具合は、重要品質問題として登録し、社長へ報告するとともにお客様への対応・再発防止が完了するまで、確実なフォロー体制で取り組んでいます。
不具合の再発防止の取り組みでは、開発プロセスまで遡って原因究明し、しくみと技術の両面から対策し、必要に応じて、新商品開発のしくみも見直すことで、次期モデルでの徹底的な不具合の再発防止に努めています。また、対策を全社に水平展開することで、今後開発・生産するすべての商品に対し、不具合の未然防止につなげています。
サプライヤーへの取り組み
商品の品質向上には、国内外のサプライヤーと一体になった品質向上活動が不可欠であることから、主要サプライヤーと協働で品質保証活動の強化に取り組んでいます。
品質監査
当社は年1回、品質監査を実施しています。各社の品質管理状況を確認した上で、強化すべき内容を提案し、改善に対する理解を深めていただいています。2023年度は新型コロナの5類への移行を受け、リモート監査から徐々に従来の現地・現物での確認にシフトし、品質保証システムと現場管理の両面から各社の品質保証活動の状況確認を継続的に実施しています。
サプライヤーの内部監査員の育成・認定
サプライヤーによる主体的な品質向上に向けて、基準に達したサプライヤーには内部監査員を育成・認定しています。この活動を通じて、サプライヤーが自律的に品質保証システムの維持・向上をはかり、自ら品質保証活動を進化させ続ける風土を築いています。
人材育成・職場づくりへの取り組み
当社では、全従業員を対象に、実務で必要な品質保証スキルを身につけるため、体系化された品質教育を実施しています。法令遵守とコンプライアンスが土台であることを認識した上で、自ら考え、自ら学び、自ら行動することができる人材の育成を推進しています。
QCサークル活動
海外生産拠点でもQCサークル活動に活発に取り組んでおり、各拠点にグローバルQCサークルトレーナーを育成・認定して自立した活動ができるよう指導しています。世界的な新型コロナ流行の影響で海外全拠点の活動に影響が出ましたが、トレーナーが工夫して推進し、QCサークル活動を継続、再開しています。成果発表として開催するグローバルQCサークル大会は、新型コロナ流行の影響で2022年度までの3年間はビデオ発表形式で実施しましたが、2023年度は日本での開催を再開しました。各地域で開催しているリージョンQCサークル大会も、2023年度は北米、欧州、中国それぞれのリージョン大会を再開し、拠点の成果を対面で共有しました。
創意工夫提案活動
創意工夫提案の取り組みでは、全員が日々改善に取り組んでいます。2023年度は、優れた創意工夫を行い技術の改善向上に貢献した者に贈られる文部科学大臣表彰「創意工夫功労者賞」を11件受賞しました。
科学的アプローチができる人材の育成
当社では、品質教育の一環としてSQC(統計的品質管理)と機械学習の基礎教育などを実施しており、機械学習の実践活用を拡大するため、職場の問題解決を通じた中核人材の育成をしています。また、各事業部の優秀事例の共有と相互研鑽を目的とした全社SQC大会を40年間にわたり開催しています。
■品質教育の推進に向けた対象者の研修受講率(単独):92%
製品安全のリスクアセスメントができる人材の育成
当社では、お客様が安全に使用していただける製品を提供するために、各事業部のDRの中であらゆるリスクを洗い出すリスクアセスメントを行っています。リスクアセスメントに必要な考え方である、危害の発生確率と危害の程度を評価できる人材育成に向け、「リスクアセスメント専門教育」を全社で推進しています。