ごあいさつ

株主・投資家の皆様へ

 平素より格別のご高配を賜り、厚くお礼申しあげます。

 2019年度の経済情勢を概観しますと、世界経済は、米中貿易摩擦による中国経済の減速や地政学的リスクによる先行き不透明感はあったものの、全体では底堅く推移してきました。しかしながら、期末にかけて新型コロナウイルス感染症流行拡大の影響から、景気が急激に落ち込みました。また、日本経済は、消費税率引き上げや自然災害に伴う個人消費の冷え込みなどもあり、下期にかけて景気は悪化しました。

 このような情勢のなか、2019年度の売上高につきましては、新型RAV4やTNGAガソリンエンジンの台数は増加した一方、産業車両やカーエアコン用コンプレッサーの台数減、為替変動によるマイナスの影響などにより、減収となりました。また、利益につきましては、営業面の努力、グループあげての原価改善活動の推進などがありましたが、新型コロナウイルス、台風19号、為替変動などの影響により、減益となりました。

 売上高、利益とも計画に対し、若干の未達となりましたが、期末の配当金につきましては、計画どおり80円とし、年間では前年度から5円増加の160円とさせていただきました。なお、新型コロナウイルスの影響を考慮し、株主の皆様が期末配当金を早くお受け取りできるよう、従来の株主総会での決議ではなく取締役会での決議といたしました。

 今後の経済の見通しにつきましては、新型コロナウイルス対応の長期化や米中間の貿易摩擦、地政学リスクなど、先行きの不透明感が増しており、当社の主要な事業である自動車、産業車両を取り巻く環境は、予断を許さない状況にあります。

 このような環境のなかで、当社グループは、より強固な経営基盤を築き、企業価値の一層の向上に向け、グループの総力をあげて経営課題に取り組んでまいります。

 まず、急激な事業環境の変化にも迅速に対応できるよう、リスク管理を強化するとともに、より筋肉質で強靭な企業体質への変革をはかるため、徹底した原価改善活動に加え、働き方改革などを通じて間接部門の生産性を向上させ、固定費の削減に努めてまいります。

 また、デジタル技術やオープンイノベーションも積極的に活用して革新的な技術・商品開発を進め、事業の競争力を強化するとともに、さらなる成長に向けて取り組んでいく考えです。こうした事業展開を支えるため、多様な人材が能力を最大限に発揮できる組織・職場づくりを進めるとともに、自ら学び、考え、迅速に行動することができる人材を育成してまいります。

 そして、安全をすべてに優先させた職場づくり、法令の遵守をはじめとしたコンプライアンスの徹底はもとより、社会貢献活動へも積極的に参画するなど、広く社会の信頼に応え、社会との調和ある成長をめざしていきます。地球環境保全に対しては、2050年のCO₂ゼロ社会を見据えた取り組みをグループ全体で進めていきます。

 これらの取り組みを通じて、今後も各事業を持続的に成長させ、2030年ビジョンに示しますとおり、世界の産業・社会基盤を支え、住みよい地球、豊かな生活、温かい社会づくりに貢献できるように努めてまいります。

 皆様におかれましては、引き続き変わらぬご支援とご指導を賜りますようお願い申しあげます。


2020年7月

取締役会長 豊田 鐵郎(左)
取締役社長 大西 朗(右)