株主提案に対する当社取締役会意見に関するお知らせ

ニュースリリース IR

株式会社豊田自動織機(社長:伊藤 浩一、以下「当社」)は、2024年4月12日付けで当社株主であるロンシャン・SICAV(代理人ダルトン・インベストメンツ・インク。以下「本提案株主」)より2024年6月11日開催予定の第146回定時株主総会(以下「本株主総会」)において株主提案(以下「本株主提案」)を行う旨の書面(以下「本株主提案書」)を受領いたしました。
当社は、本株主提案の内容について検討を重ねてまいりましたが、その結果、本日開催の取締役会において、本株主提案について反対することを決議いたしましたので、下記のとおりお知らせいたします。

Ⅰ.本株主提案の内容

1.議題

(1) 資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応に関する開示に係る定款変更の件
(2) 自己株式取得の件
(3) 譲渡制限付株式報酬制度に関する報酬額承認の件

2.議案の要領および提案の理由

別紙「本株主提案の内容」に記載のとおりです。
なお、別紙「本株主提案の内容」は、本提案株主から提出された本株主提案書の該当記載を原文のまま掲載したものであります。

Ⅱ.本株主提案に対する当社取締役会の意見

1.「(1)資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応に関する開示に係る定款変更の件」
(1)当社取締役会の意見
当社取締役会は、本株主提案に反対いたします。

(2)反対の理由
本株主提案は、東京証券取引所が2023年3月31日に要請した「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」の取組みを検討し、当該要請に基づく現状評価、方針・目標、取組み・実施時期をコーポレート・ガバナンス報告書及び当社のウェブサイトに開示する旨を定款に新設することを求めるものです。
しかしながら、東京証券取引所による当該要請で求められる開示内容は、当社の経営戦略や経営環境といった柔軟性・流動性が高い事項を踏まえて、適時に都度決定するべき事項であり、会社を運営する上での根本規範を定める定款に、本株主提案のような定めを設けることは適切ではないと考えております。
当社は、創業の精神である「豊田綱領」を社是とし、創立以来の事業「繊維機械」に加え、「ソリューション(産業車両・物流)」「モビリティ関連」事業を両輪に、様々な産業に貢献し、広く社会に役立つことを原点として、社会と調和した持続的成長の実現を経営方針の根幹においています。資本コストや株価を意識した経営に関しても、政策保有株式の見直しや縮減方針の明確化を進め、持続的な成長のための基盤投資、次世代の成長を加速させる成長投資、自己株式取得を含めた株主還元を、バランスを取りながら行ってまいります。
今後も、資本コストや株価を意識した経営の重要性を踏まえながら、株主の皆様をはじめとしたステークホルダーの皆様に対する適時適切な情報開示に努めてまいります。

以上から、当社取締役会は、本株主提案に反対いたします。

2.「(2)自己株式取得の件」
(1)当社取締役会の意見
当社取締役会は、本株主提案に反対いたします。

(2)反対の理由
本株主提案は、本株主総会終結の時から1年以内に、当社の自己株式を、株式総数3,000万株、取得価額の総額5,000億円を限度として、金銭をもって取得することを求めるものです。
当社としましても、自己株式の取得による株主還元自体を否定するものではなく、2024年5月10日開催の取締役会において決議し、開示したとおり、同日より1年以内に、株式総数1,000万株、1,800億円を上限とする自己株式の取得を進めてまいります。
引き続き、持続的な成長のための基盤投資、次世代の成長を加速させる成長投資とのバランスを取りながら、株価の動向と資本構成を考慮し、自己株式取得を含めた株主の皆様への還元策を機動的に実施してまいります。
当社は、「住みよい地球と豊かな生活、そして温かい社会づくり」の実現に向けた価値創造を強化し、利益を継続的に創出し、中長期的に企業価値向上を図るためには、健全な事業環境を実現する中で「基盤投資」「成長投資」「株主還元」のバランスが極めて重要と考えております。今後も、当該バランスを損なうことがないように配慮しつつ、株主還元や資本効率の向上施策を検討してまいります。

以上から、当社取締役会は、本株主提案に反対いたします。

3.「(3)譲渡制限付株式報酬制度に関する報酬額承認の件」
(1)当社取締役会の意見
当社取締役会は、本株主提案に反対いたします

(2)反対の理由
本株主提案は、従来、金銭のみで支給されている取締役の報酬(年額9億円以内、うち、社外取締役は年額1.5 億円以内)に加え、ROEとTSR(株主総利回り)を含む業績連動型のインセンティブ制度として、年額9億円以内、付与株式数の上限62,000株の譲渡制限付株式付与のための金銭報酬債権を付与すること、また、業績基準を満たす場合は累計で固定報酬の3倍相当の譲渡制限付株式を今後3年間で付与することを求めるものです。

当社としても、企業価値の持続的な向上を図るインセンティブとして、譲渡制限付株式報酬制度を導入すること自体を否定するものではなく、2024年4月26日開催の取締役会において決議し、開示したとおり、当社は取締役の報酬決定方針を改定し、業績連動型の株式報酬を導入するとともに、固定報酬・賞与・株式報酬の構成割合や業績連動指標につき、当社経営戦略に即した体系へと変更することを決定いたしました。その方針のもと、本株主総会において、必要な議案を提案してまいります。これら新しい報酬制度は、従来の取締役の報酬のうち、基本報酬である固定報酬は維持し、業績連動報酬である賞与の一部を業績等に連動して付与される譲渡制限付株式による報酬に置き換えるものであり、報酬総額の水準は従来同様としつつ、譲渡制限付株式報酬を導入できる点、また、当社経営戦略に即した業績連動指標を採用する点で優れた体系であると考えております。
当社は、株主の皆様をはじめとした取引先、地域社会、従業員等の様々なステークホルダーと共に、「住みよい地球と豊かな生活、そして温かい社会づくり」の実現に向けた価値創造を強化し、利益を継続的に創出し、中長期的に企業価値向上をはかるため、適切な役員報酬のあり方について、継続的に検討してまいります。

以上から当社取締役会は、本株主提案に反対いたします。

別紙「本株主提案の内容」新しいウインドウで PDF を開きます PDF[366.5KB/03ページ]