お客様

「品質」を重要課題の一つと捉え、お客様ニーズの変化・多様性に迅速に対応できるモノづくりを実践しています。

基本的な考え方

品質ビジョン

豊田自動織機グループに働く一人ひとりは、法令を遵守し、それぞれの持ち場でお客様指向で考え・行動し、世界各地域のお客様の期待を超える、魅力的な商品・サービスを、安全で安心な品質で提供します

当社は、社祖・豊田佐吉の「完全なる営業的試験を行うにあらざれば、発明の真価を世に問うべからず」という遺訓の精神を受け継ぎ、法令や規格・基準、お客様と合意した仕様を遵守することを土台に、品質こそが会社の生命線と考えています。
この考えのもと、基盤となるべき品質に対する取り組みの理念として、「品質ビジョン」を設定しています。
安全性や環境性能、耐久性、使いやすさ、できばえなどの「製品品質」はもとより、販売やサービスを加えた「営業品質」、さらにブランド力や企業イメージなどを加えた「経営品質」に至るまで、企業活動全体のあらゆる「品質」の維持・向上をはかっています。

当社が追求している品質のイメージ

当社が追求している品質のイメージ

品質指針・品質保証体制

品質ビジョンの実現に向け、年度の重点実施事項を明確にした「品質指針」を国内外の全生産拠点に展開し、品質保証活動を行っています。
「品質指針」の実施状況については、経営トップが品質機能会議(議長:品質担当役員※1)で確認し、課題を抽出した上で、対策を検討しています。
これらの課題は、全社品質保証部門長会議(議長:品質統括部部長※1)でフォローしています。

※1:2023年3月31日現在

品質指針に基づく品質保証活動

品質指針に基づく品質保証活動
※2 : PDCA(Plan:計画、Do:実施、Check:確認、Act:処置)。

当社は、市場におけるニーズや当社商品の使われ方を把握して、お客様の期待に応える商品開発を行っています。
新商品開発では、商品企画から設計、生産準備、生産、販売・サービスに至るすべてのステップにおいて、品質をつくり込むための具体的な実施事項を定めています。
その上で、目標とする品質レベルに達していることを事業部長が審査し、次のステップへの移行を承認するしくみであるデザインレビュー(以下、DR)を実施しています。

なお、品質マネジメントシステムの国際規格であるISO9001認証やIATF16949(自動車業界のための規格)認証については、グループ全体で積極的に取得を進めています。

■ISO9001またはIATF16949認証
当社および国内外生産子会社38社中、33社取得(2022年7月現在)

製品安全のリスクアセスメント

当社は、お客様が安全に使用していただける製品をご提供するために、各事業部のDRの中であらゆるリスクを洗い出すリスクアセスメントを行っています。
リスクアセスメントに必要な考え方である、危害の発生確率と危害の程度を評価できる人材育成に向け、「リスクアセスメント専門教育」を全社に推進しています。

■対象製品のリスクアセスメント実施率(単独):100%

不具合の再発防止・未然防止への取り組み

商品の発売後に不具合が発生した場合は、各事業部の品質保証部門が中心となり、お客様の不安を早く取り除くため迅速に対応し、同じ不具合を再発させない確実な対策を実施しています。
特に、お客様に多大なご迷惑をおかけする不具合は、重要品質問題として登録し、社長へ報告するとともにお客様への対応・再発防止が完了するまで、確実なフォロー体制で取り組んでいます。
再発防止の取り組みでは、開発プロセスまで遡って原因究明し、しくみと技術の両面で対策して、必要に応じて、新商品開発のしくみも見直すことで、次期モデルでの徹底的な再発防止に努めています。
また、対策を全社に水平展開することで、今後開発・生産するすべての商品に対し、不具合の未然防止に努めています。
なお、国内フォークリフト用エンジン認証における法規違反に関しましては、上記に加えて、牽制機能の強化の体制づくりなど、全社を挙げて取り組んでいきます。

■リコール届出件数(単独):1件

サプライヤーへの取り組み

商品の品質向上には、国内外のサプライヤーと一体になった品質向上活動が不可欠であることから、主要サプライヤーと協働で品質保証活動の強化に取り組んでいます。

品質監査

当社は年1回、品質監査を実施しています。
各社の品質管理の状態を現地・現物で確認し、強化すべき項目に対し、支援や品質教育を通じて、改善に対する理解も深めていただいています。
2022年度も、コロナ禍において、モバイルカメラも併用しつつも、現地・現物にこだわって活動を継続しました。

サプライヤーの内部監査員の育成・認定

サプライヤーでの主体的な品質向上に向けて、基準に達したサプライヤーには内部監査員を育成・認定し、サプライヤーが自律的に品質保証システムを向上できる活動を維持・推進しています。
これらの活動を通じて、サプライヤーでの品質保証レベルを確保するとともに、自ら品質保証活動を進化させ続ける風土を築いています。

人材育成・職場づくりへの取り組み

当社では、全従業員を対象に、実務で必要な品質保証スキルを身につけるため、体系化された品質教育を実施しています。
自ら考え、自ら学び、自ら行動することによる人材の育成を推進しています。

QCサークル活動

欧州リージョンQCサークル大会表彰式(スウェーデン)
欧州リージョンQCサークル大会表彰式
(スウェーデン)

QCサークル活動に全員参加で取り組んでいます。それらの成果は全国のQCサークル大会で発表し多くの賞をいただいており、特色ある活動を進め、QCサークル活動の普及・発展と活性化に貢献したサークルに贈られる「石川馨賞奨励賞」を2年連続で(通算9回目)受賞しました。

海外生産拠点でもQCサークル活動に活発に取り組んでおり、各拠点にグローバルQCサークルトレーナーを育成・認定して自立した活動ができるよう指導しています。
2020年度から、新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)の影響で海外全拠点の活動に影響が出ましたが、トレーナーが工夫して推進し、QCサークル活動を継続しています。
成果発表として、日本で開催するグローバルQCサークル大会は、2020年度からはビデオ発表形式で継続しています。
各地域で開催しているリージョンQCサークル大会は、2022年度に欧州リージョンの大会を3年ぶりに再開し、拠点の成果を共有しました。

また、創意工夫提案の取り組みでは、全員が日々改善に取り組んでいます。
優れた創意工夫を行い技術の改善向上に貢献した者に贈られる文部科学大臣表彰「創意工夫功労者賞」を2022年度は3件受賞しました。

科学的アプローチができる人材の育成

当社では、品質教育の一環としてSQC(統計的品質管理)と機械学習の基礎教育などを実施しており、機械学習の実践活用を拡大するため、職場の問題解決を通じた中核人材の育成をしています。

また、各事業部の優秀事例の共有と相互研鑽を目的とした全社SQC大会を39年間にわたり開催しています。
2022年度は、前年度に引き続き新型コロナ対応として、オンラインで配信しました。

全社SQC大会(オンライン配信)
全社SQC大会(オンライン配信)
全社SQC大会(オンライン配信)

■品質教育の推進に向けた対象者の研修受講率(単独):92.3%