豊田自動織機、2テーマで「2025年度省エネ大賞」を受賞
~CO2排出予測・管理の取り組みが資源エネルギー庁長官賞に選出~
株式会社豊田自動織機(以下、豊田自動織機)は、一般社団法人省エネルギーセンター主催の「2025年度省エネ大賞(省エネ事例部門)」において、長草工場(愛知県大府市)の「CO2排出予測値算出による排出管理取り組み」で資源エネルギー庁長官賞を、刈谷工場(同刈谷市)の「廃液処理装置導入と汚泥乾燥機バイパス化による蒸気レス化」で省エネルギーセンター会長賞を受賞しました。
「省エネ大賞」は事業者や事業場における優れた省エネ・脱炭素の取り組みや、省エネ製品、およびビジネスモデルを表彰する制度です。
自動車を生産する長草工場は、省エネによるCO2排出量の削減を進めてきました。同時に、CO2排出を増やさないためには排出量を適正に管理することも重要であるため、長草工場のCO2排出予測精度の向上による、排出管理レベルの高度化に取り組みました。
従来の管理では、さまざまな要因で変動する日々の排出量実績と、車両生産1台あたりの排出量から算出した予測値に乖離があり、正常・異常の判断が難しいことが課題でした。そこで年間244日分の稼働データを用いた予測式を作成し、気温や湿度、稼働率などの生産条件値から算出した、排出予測値による維持・管理方法を新たに確立しました。その結果、予測誤差は9.4%から1.9%まで改善し予測値を基準としたより精度の高い管理が可能となり、ムダなCO2排出につながる設備異常の早期発見や、省エネ効果の可視化、排出想定量の精度向上、といった幅広い活用を実現しました。
カーエアコン用コンプレッサーを生産する刈谷工場では、再生可能エネルギーへの置き換えが難しい都市ガスの利用を削減するため、都市ガス使用量の78%を占めるコジェネレーションシステム(以下、コジェネ)の廃止に取り組みました。コジェネは発電機で電力を生み出すと同時に、排熱を利用して蒸気を発生するシステムのため、廃止には蒸気使用設備として残っていた廃液処理装置と、排水処理場の汚泥乾燥機の利用停止が必要でした。
そこで廃液処理装置を電気式のろ過処理に変更すると同時に、汚泥の乾燥工程を省くことで、蒸気使用設備をゼロにしました。これにより刈谷工場全体の都市ガス使用量を73%削減し、CO2排出量を年間633トン減らすことができました。
これらの取り組みや成果を高く評価いただき、このたびの受賞となりました。
豊田自動織機グループは、今後も省エネや脱炭素化の取り組みをはじめとしたグローバルな環境保全活動を通じ、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
<受賞概要>
テーマ:「CO2排出予測値算出による排出管理取り組み」
表彰:資源エネルギー庁長官賞
概要:トヨタRAV4を生産する長草工場は、車両のプレス、塗装、組立などの生産工程でエネルギーの88%を消費しており、積極的な省エネ活動でCO2排出量の削減に取り組んでいる。
一方、CO2排出量の管理も重要であると認識する中で、生産台数1台あたりの排出原単位をもとに日々の想定排出量を予測・管理したところ、工程やエネルギーごとに変動要因が多岐にわたり、予測と実績で1日あたり平均9.4%の誤差が生じた。このため、日々変動する排出量の妥当性を判断することが難しいという課題があった。そこで各生産条件に応じたCO2排出実績データに対して重回帰分析※1を行い、工程・エネルギーごとに81通りの予測式を作成。気温、湿度、稼働率、生産台数といった生産条件値を入力することでCO2排出予測値を算出可能とした結果、1日当たり平均1.9%の誤差まで予測精度が向上した。
この予測値を排出量の基準とした管理が可能となり、設備異常の早期発見によるムダなCO2排出防止、省エネ効果の見える化、年間想定排出量の算出といった幅広い活用が実現した。
※1 複数の要因が与える影響を元に結果を予測する、SQC(統計的品質管理)における統計手法の一つ
テーマ:「廃液処理装置導入と汚泥乾燥機バイパス化による蒸気レス化」
表彰:省エネルギーセンター会長賞
概要:カーエアコン用コンプレッサーを生産する刈谷工場は、都市ガス使用量の78%をコジェネレーションシステムが占めている。コジェネは蒸気使用量が多い場合は優れた省エネ設備だが、同工場では蒸気使用設備の小型化や電化が進み、蒸気を使用する設備が廃液処理装置と排水処理場の汚泥乾燥機のみとなるなど、省エネメリットが薄れていた。
そこで蒸気熱により廃液中の水分を蒸発させ廃液量を減容化していた廃液処理装置を、排水をろ過処理する電気式の膜処理装置(UF膜、RO膜)※2に更新した。またバイパス配管を通して脱水後の汚泥を外部処理工程へ送る工程変更を実施し、汚泥を蒸気により乾燥して減容化する乾燥工程を廃止した。これにより刈谷工場の都市ガス使用量を73%減らし、CO2排出量全体の約2%にあたる年間約633トンのCO2排出削減を達成した。
※2 微細孔膜を使ってろ過する方式。UF膜は孔の直径が約5nmで1次処理に使用。RO膜はそれより小さいイオンレベルの物質も透過しない微細な孔を持ち、2次処理として使用




