豊田自動織機が全国発明表彰「経済産業大臣賞」を受賞

~多様なデザイン表現が可能な意匠糸「モザイクヤーン※1」紡出装置を発明※2

ニュースリリース 製品・技術


株式会社豊田自動織機(社長:大西 朗 以下、豊田自動織機)は、公益社団法人発明協会(総裁:常陸宮殿下)が主催する令和2年度全国発明表彰において「経済産業大臣賞」を受賞しました。全国発明表彰は、科学技術の向上と産業の発展を目的に、独創性に富む発明の完成者を表彰する制度で、「経済産業大臣賞」は、「恩賜発明賞」、「内閣総理大臣賞」、「文部科学大臣賞」に次ぐ上位の賞となります。

今回の受賞は、従来にない新しい生地デザインを可能にする意匠糸「モザイクヤーン」紡出装置の発明に対するものです。世界で初めて※31本の糸の中で2種類の原料の配合比率を自在に変化させることができ、さらには、原料を完全に切断してつなぎ合わせるといった、完全切り替えをも実現したことが評価されました。

リング精紡機などの紡績機械における紡出装置とは、天然繊維や化学繊維など原料を引き伸ばして任意の太さの糸にする装置です。従来、2種類の原料を使用する意匠糸用の紡出装置では、原料の配合率は固定されており、また、原料の完全な切り替えはできませんでした。一方、「モザイクヤーン」紡出装置は、2種類の原料をそれぞれ独立して引き伸ばし・切断した後に、つなぎ合わせる構造にしたことで、原料を任意の比率で配合し、完全切り替えまで実現しました。これによって紡出される「モザイクヤーン」は、従来にない多様なデザイン表現を可能とします。2015年の発売以来、世界のお客様に採用・評価いただき、繊維産業の新たな市場創出に貢献しています。

今後も豊田自動織機は、研究と創造を重ね、世の中に新たな価値を提供する製品の開発に、積極的に取り組んでまいります。

※1 1本の糸の中で2種類の原料の配合比率を0~100%まで切り替えている新しい意匠糸で、モザイク装飾を連想させる柄であることから豊田自動織機が命名
※2 特許第6156503号
※3 自社調べ


モザイクヤーンを使った製品例

以上