豊田自動織機、アンモニアを単一燃料とするエンジンを開発

株式会社豊田自動織機（以下、豊田自動織機）は、ガソリンやLPG（液化石油ガス）に代わり、燃焼時にCO₂を排出しないアンモニアを単一燃料とするエンジンを開発しました。この成果をもとに、 デンヨー株式会社（以下、デンヨー）製発電機への搭載に向けて両社で共同開発に着手し、2027年度中の実証開始をめざします。当社は同エンジンの開発を通じ、2050年カーボンニュートラル達成の 目標に貢献してまいります。

アンモニアは肥料や化成品の原料としてすでに広く使われており、生産・運搬・貯蔵などの技術やサプライチェーンが確立されているため、入手・利用しやすい点が特徴です。炭素を含まないので、燃焼時にCO2を排出しない比較的コストの安い脱炭素燃料として、今後の利用拡大が期待されています。一方で、単体では燃えにくい性質があるため、アンモニアのみを燃料とするエンジンを開発する上での課題となっています。

当社は次世代燃料としての将来性に着目し、10年ほど前からアンモニアのみで動作するエンジンの開発を始め、難燃性燃料であるアンモニアから触媒反応で可燃性の水素を取り出し燃焼補助剤とすることで、アンモニアを燃えやすくする燃料改質技術の実現に取り組んできました。今回、共同開発に着手する発電機向けアンモニアエンジンは既存の当社製ガスエンジンをベースに改良したもので、 当社などが確立^※1した基本構造を採用しています。
今後、発電機での利用に適した性能や信頼性を確保するための開発を行った上で、デンヨー製 発電機に当社のアンモニアエンジンを搭載し、適合性などの評価を経て本格実証を進める計画です。

豊田自動織機は、市場ニーズ調査なども実施しながら、カーボンニュートラル実現の選択肢の一つとしてアンモニアエンジンの提供をめざします。アンモニアの利活用を通じ、より環境負荷低減につながるエンジン技術の確立を進めてまいります。