コーポレート・ガバナンス

コーポレート・ガバナンスの基本的な考え方

当社は、基本理念のもと、誠実に社会的責任を果たすことで社会の信頼を獲得し、長期安定的な企業価値の向上をめざしています。そのために、コーポレート・ガバナンスを一層充実させ、経営の効率性と公正性・透明性の維持・向上をはかっていきます。

ガバナンス体制

推進体制

当社は取締役会を毎月開催することで、経営に関わる重要事項の決定および取締役の職務執行の監督を行っています。さらに、会社経営などにおける豊富な経験と高い識見を有する社外取締役を選任し、取締役会において、適宜意見・質問を受けるなど、社外取締役の監督機能を通して、客観的な視点からも、取締役会の意思決定および取締役の職務執行の適法性・妥当性を確保しています。また、取締役会の実効性について、毎年社外取締役・監査役へのインタビューを行い、評価・意見を踏まえて向上をはかっています。一方で、ビジョン、経営方針、中期経営戦略、大型投資などの経営課題については、副社長以上と議案に関わる執行役員および監査役で構成する「マネジメントコミッティ」で、さまざまな対応を協議しています。
当社は事業部制を採用し、事業運営に関わる権限の多くを事業部に委譲しています。しかし、特に重要な事項については、「事業執行会議」において、社長が各事業部の最高責任者に対し、定期的に監督、フォローを行っています。「経営会議」では、取締役、執行役員、監査役をメンバーとして、月々の業務執行状況の報告・確認、取締役会の審議内容およびその他の経営 情報の共有化をはかっています。
また、人事、品質、生産、調達、技術の各機能において課題を審議する機能会議や、CSR、環境、輸出取引管理などの特定事項を審議する委員会を設置し、それぞれの分野における重要事項やテーマについても協議しています。

(2018年6月12日現在)

監査役会制度

当社は監査役会制度をとっています。常勤監査役(2名)、社外監査役(2名)が取締役会に出席し、取締役の職務執行を監視するとともに、毎月「監査役会」を開催し、監査の重要事項を協議、決定しています。常勤監査役は主要な会議体に出席し、取締役等から直接報告を受けるなど監査に努めています。また、専任スタッフを配置し、会計監査人や内部監査部門との連携を通じて、経営の適法性・効率性などを監視しています。

独立役員の指定

当社は、上場会社として、経営の公正性・透明性の確保に努めています。東京、名古屋の各証券取引所による有価証券上場規定に基づき、株主の皆様と利益相反の生じ るおそれがないと判断した社外取締役2名および社外監査役2名を独立役員として指定し、コーポレート・ガバナンスの一層の充実をはかっています。

コーポレート・ガバナンス報告書

コーポレート・ガバナンス報告書(最終更新日:2018年12月21日)新しいウインドウで PDF を開きます PDF[395.4 KB/13ページ]

内部統制

当社は会社法に基づき、2006年5月に「内部統制の整備に関する基本方針」(以下「基本方針」)を取締役会で決議し、各部門の年度方針や日常管理に織り込んだ上で、コンプライアンス、リスク管理、業務の有効性・効率性の徹底に取り組んでいます。そして、毎年3月のCSR委員会で、「基本方針」の1年間の達成状況を評価し、しくみの見直し、日常管理の徹底など、次年度に向けた取り組みを確認しています。

さらに当社は、金融商品取引法(J-SOX法)に基づき、財務報告の信頼性確保に向けた内部統制システムの構築と適正な運用を行い、その整備・運用状況については監査部門が点検し、監査法人による監査を受けています。その対象会社は、当社グループから、財務報告の信頼性におよぼす影響の重要性を考慮して決定しています。2018年3月期現在の当社グループの財務報告に係る内部統制は有効であると判断し、内部統制報告書を2018年6月に提出しました。なお当社の内部統制報告書については、監査法人から適正である旨の監査報告が提出されています。

内部統制評価のしくみ(J-SOX)

コンプライアンス

コンプライアンス活動の四本柱

当社は、コンプライアンスを法令遵守だけでなく、倫理や社会常識を守ることも含むものとし、従業員一人ひとりへの意識づけが大切であると考えています。

経営トップの強いリーダーシップのもと、「規範の策定」「周知徹底」「点検・確認」を通じ当社グループ全体でコンプライアンスを推進しています。

コンプライアンス活動の四本柱

推進組織の構築・強化

当社は、グループ横断的にコンプライアンスを推進するため、「CSR委員会」の下部組織として、「コンプライアンス分科会」(分科会長:法務部担当役員)を設置しています。毎年、活動方針を策定し、その実施状況を年2回フォローしています。

コンプライアンスの推進組織

規範の策定・展開

当社は、従業員が守るべき行動を「豊田自動織機 社員行動規範」にまとめ、役員および全従業員に配付し、集合研修などで周知しています。国内外の連結子会社においても、各社の業種・企業文化に合わせた行動規範(海外では Code of Conduct)を策定しています。国内では30社、海外では75社が策定を完了し、従業員への浸透をはかっています。

また、贈収賄や独占禁止法違反といった重大なリスクを防ぐため、行動規範に加えて、規程の策定および周知徹底のための活動を行っています。贈収賄については「贈収賄防止グローバルガイドライン」を策定しており、特に贈収賄リスクの高い国では、その国の法律に準拠した内規を策定し、各社で周知しています。独占禁止法については、当社の従業員が競合他社と接触する場合の事前・事後の確認・審査を制度化し、独占禁止法への抵触が疑われるような行為を一切しないことを周知徹底しています。さらに2015年度からは、独占禁止法遵守月間を設け、関係部門に対して独占禁止法遵守の啓発を行っています。

法令の周知徹底

当社では、資格や役職に応じて必要な法律知識や、問題発生時の初動対応、リスクマネジメントの教育を実施しています。また新入社員教育や階層別教育・全職場ミーティングで「豊田自動織機 社員行動規範」に沿って、法令や企業倫理に照らして「すべきこと、すべきでないこと」をわかりやすく解説し、コンプライアンス意識の向上をはかっています。

また、当社および国内連結子会社従業員のコンプライアンスに対する理解を一層深めるため、2013年度から毎月1つのテーマについてのeラーニング教材を作成・配信し、従業員が自主的にコンプライアンスに関する感度を磨ける環境づくりに努めています。

取締役、執行役員および監査役向けには、2017年度は「情報テクノロジー法最前線」および「企業広報・開示における留意事項」をテーマとした外部弁護士による役員法令講習会をそれぞれ開催しました。

eラーニングのテーマ(例)

2017年度の配信講座
  • ソフトウェアの適正使用

  • 改正個人情報保護法

  • 著作権

  • インサイダー取引防止

  • 製造物責任

  • 消費税の取り扱い

  • 建築基準法

  • 下請法(支払遅延防止)

  • 安全ビジョンの達成

  • 独占禁止法(カルテル)

  • 輸出管理

  • 不正アクセス禁止法

※ 対象は当社および国内連結子会社の全従業員で、今後も講座の追加・改訂を検討。

さらに、国内外の連結子会社での教育を支援するため、当社グループの従業員が守るべき社員行動規範を解説した映像教材を活用しています。

日本語版行動規範教育教材
英語版行動規範教育教材

ヘルプライン

当社グループでは、コンプライアンスに関して通報・相談できる内部通報制度を設けています。特に、日本、北米、欧州、中国においては、従業員やその家族がコンプライアンスに関して社外専門家に相談できる「企業倫理相談窓口」(社外ヘルプライン)を設けており、相談者が不利益を受けることなく安心して相談できる体制を整えています。2017年度は、当社および国内連結子会社から、労務管理・職場環境・倫理などに関する通報・相談が60件寄せられ、事実確認の上、それぞれ適切に対応しました。これらの対応は、社外弁護士の点検を受け、適切との評価を受けました。

また、2016年度に創設した、当社のコンプライアンス違反などに関する通報・相談を受け付ける「サプライヤー相談窓口」は、対象サプライヤーを約120社に拡大しました。

これらの取り組みを通じ、問題の早期発見・未然防止をはかることで、「社会からより信頼される企業づくり」をめざします。

当社グループでの取り組み

当社グループは、コンプライアンス委員会(日本)とコンプライアンスオフィサー(海外)を設け、コンプライアンス分科会と連携して、各地での自律的な活動を促進しています。2017年度も引き続き各地のニーズに沿った活動を進めました。

日本での活動

日本の連結子会社31社が参加するコンプライアンス実務担当者会議を開催し、法令に関する最新情報の共有、内部通報対応に関するケーススタディを実施し、知識と対応能力の向上をはかりました。

北米での活動

北米では、21社が参加するコンプライアンスオフィサー会議を開催しました。職場でのLGBT対応、規制薬物対応など最新の論点を含むテーマの情報共有・年度の取組課題の展開を行い、会議後も各社で連携して活動を進めています。

※:レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダ、性的指向・性自認が非典型な人々のこと。

欧州での活動

欧州では、30社が参加する欧州コンプライアンス会議を開催し、各社のコンプライアンス推進活動の取り組み状況と課題を共有し、今後の活動を議論しました。また、2018年5月25日施行の欧州一般データ保護規則(GDPR)対応のため、個人情報の保護に関する取り組みを強化しています。

中国での活動

中国では、7社が参加するコンプライアンスオフィサー会議を開催し、全拠点共通の教育資料の作成・展開・各社の教育実施状況の共有に取り組みました。また、各社の管理者を対象に労務管理講習会を実施するなど、従業員の法律知識強化・コンプライアンス意識向上に継続的に取り組んでいます。

アジア・オセアニア・南米での活動

コンプライアンス活動のレベルアップを目的に、コンプライアンスオフィサー向けのトレーニングを実施しています。2017年度はアジア・オセアニアコンプライアンス会議を開催し、同地域の拠点7社から拠点長およびコンプライアンスオフィサーが参加しました。会議を通じ、機密漏洩や贈収賄防止、内部通報対応について理解を深めています。

アジア・オセアニアコンプライアンス会議
コンプライアンス委員会(国内)とコンプライアンスオフィサー(海外)の配置状況 (2018年3月31日現在)

機密管理

基本的な考え方

当社は「お客様や従業員、取引先などの個人情報、技術・営業に関わる情報は守るべき資産である」という認識に基づき、機密管理を「CSRの取り組み分野」の一つとして、情報の保護と管理強化を推進しています。

推進体制

当社は機密管理の推進のため、「CSR委員会」の下部組織として「情報セキュリティ分科会」(分科会長:総務部担当役員)を設置し、機密情報の漏洩リスクへの対応や不正競争防止法・個人情報保護法などの法令対応に取り組んでいます。

分科会での取り組みを徹底するため、各部で機密管理責任者※1、機密管理推進者※2を選任して、職場単位でのミーティングや機密管理自主チェックを行うことにより、機密管理意識の向上に努めています。

2017年度は、機密情報漏洩リスクへの対応として、次のような取り組みを行いました。

  1. 機密管理の職場状況確認
    技術・生産技術部門の現地確認と改善指導
  2. 事件・事故発生時の対応訓練
    本社・工場総務に加え技術・生産技術・調達部門の参加拡大による実践レベルでの対応力強化
事件・事故発生時の対応訓練

取り組みの事例

機密管理月間ポスター
2016年度までの取り組み

当社の活動

  • 階層別の集合教育
  • 社内撮影制限
  • 電子メール監査
  • 電子データの記憶媒体への書き出し制限
  • パソコンへのワイヤーロック設置の徹底による無断持ち出し制限
  • 退職時の機密保持誓約と電子データ持ち出し履歴のチェック

トヨタグループ各社と連携した活動

  • 機密管理強化月間」である5月、10月に、パソコン・記憶媒体の持ち出し点検などによる
    啓発・監査 など
2017年度の新たな取り組み
  • 技術・生産技術部門の状況確認
  • 事件・事故発生時の対応訓練参加者の拡大
  • 標的型メール訓練 など

国内外の連結子会社については、各社で機密管理責任者、機密管理担当者を選任するとともに、当社より機密管理に関するガイドラインを展開し、各社の取り組みの定期的なフォローを実施するなど、グループ全体で機密管理レベルの向上に取り組んでいます。

※1:各部の部門長
※2:部門長が指名した部内の推進担当者

リスク管理

基本的な考え方

当社は、会社法に基づく「内部統制の整備に関する基本方針」に沿って、リスク管理に関する規程や体制の整備を行っています。リスク管理については、次の項目を基本として取り組んでいます。

  1. リスクの未然防止や低減への取り組みを日々の業務の中に織り込み、その実施状況をフォローすること。
  2. リスクが顕在化した場合には、迅速かつ的確な緊急対応により、事業や社会への影響を最小化するための適切な行動を徹底していくこと。

推進体制

当社は毎年、品質、安全、環境、人事労務、輸出取引、災害、情報セキュリティなどにおけるリスクの未然防止や低減への取り組みを、各事業部および本社各部門の活動方針に織り込み、推進しています。その実施状況については、CSR委員会や環境委員会などの機能別の会議体で評価・フォローしています。また、各事業部および連結子会社のリスク管理レベルの向上を支援するため、本社の品質、安全、環境などの各機能部門は、連結子会社を含むグループ全体的な視点で、規則やマニュアルを制定し、業務監査や現場点検などで確認・フォローを行っています。

当社では、「問題」や「クライシス」が発生した時の初動を示した「クライシス対応マニュアル」を整備しています。このマニュアルは、リスクが顕在化し「問題」や「クライシス」が起きた時、経営トップへ迅速に報告し、社会や事業活動への影響の大きさを見極め、適切な対応で被害を最小化するための基本ルールを定めています。内容については、事業や取り巻く環境の変化を考慮して都度確認し、必要に応じて改訂しています。

想定される震災への対応

当社は、大規模地震の発生による影響を重要なリスクとして捉え、事業継続計画「BCP」を策定しています。「人命第一、地域優先、迅速復旧」を基本方針として、事前の備えである「減災対策」、災害後の「初動対応」および「生産復旧」の3つの対策に、全社で取り組んでいます。

防災体制

有事の際には、初動対応から生産復旧へ迅速に移行できるよう防災体制の強化に努めています。

防災対策総本部は、副社長を本部長として本社機能部門で構成され、工場などからの情報集約と、それを踏まえた全社の意思決定を行います。

防災体制

家庭の防災の推進と啓発

2016年度より、災害時の自宅での被害回避をはかる「家庭の防災」対策として、「家具の転倒防止、家族間の安否確認方法の決定、防災備品・備蓄品準備」の3項目を実施するよう、従業員とその家族へ啓発を進めています。

2017年度までは防災推進者、初動・生産復旧活動メンバーを対象とし、2018年度からは全従業員を対象に啓発を行っています。

防災に関わる人材育成の取り組み

1. 防災対策総本部訓練

全社を統括する防災対策総本部の重要な役割の一つとして、社内外の被災情報を集約し、迅速な意思決定と全社への展開を行う訓練を実施しています。

本社機能部門から自宅が近いメンバーを人選することで、夜間・休日にも対応できる体制の構築をはかっています。

操業・帰宅方針の検討
対策会議

2. 工場対策本部訓練

2017年度は、「有事に対応できる人材育成と体制強化」をテーマに掲げ、各工場の本部長(工場長)と本部メンバーを対象に訓練を行いました。繰り返し訓練を行うことで、一人ひとりが役割を理解し、機動的に対応できる体制を整えていきます。

操業停止・支援活動の検討
復旧計画の検討

3. 工場の復旧に向けた訓練

1. 動力復旧訓練

生産活動の再開に不可欠な電気、ガスなど各種動力の復旧手順を策定し、「現地・現物」での訓練を各工場で定期的に実施しています。訓練を通じて問題の洗い出しと改善を進めていくことにより、迅速な復旧を行うための取り組みのレベルアップをはかっています。

2. システム復旧訓練

当社のデータサーバーを管理しているe-Labでは、災害後の重要なデータ復旧の手順を作成しています。復旧の訓練は、情報インフラ・システムの連結子会社豊田ハイシステム(株)と共同で行い、迅速な復旧を確実に行えるように備えています。

4. 被災状況把握の訓練

関係会社およびサプライヤーが、有事の際にITツールを活用して迅速に被災状況を把握できるよう、各社と共同での訓練を繰り返し行っています。