コーポレート・ガバナンス

当社は、基本理念のもと、誠実に社会的責任を果たすことで社会の信頼を獲得し、長期安定的な企業価値の向上をめざしています。そのために、コーポレート・ガバナンスを一層充実させ、経営の効率性と公正性・透明性の維持・向上をはかっていきます。

コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方

当社は、「公明正大、社会貢献、環境保全、品質第一、顧客優先、技術革新、全員参加」からなる「基本理念」を実践し、誠実に社会的責任を果たすことで、社会から広く信頼を得て、長期安定的に企業価値を向上させることを経営の最重要課題としています。事業活動を通じて豊かな社会づくりに貢献することを基本に、地域社会、お客様、取引先、債権者、従業員等のステークホルダーとの良好な関係を築くことが重要と考えています。

こうした考えのもと、経営の効率性と公正性・透明性を維持・向上するため、経営環境の変化に迅速かつ柔軟に対応できる体制を構築するとともに、経営の監督機能強化や情報の適時開示等に取り組み、コーポレート・ガバナンスの充実をはかっています。

推進体制

当社は、取締役会を毎月開催することで、経営に関わる重要事項の決定及び取締役の職務執行の監督を行っています。一方で、ビジョン、経営方針、中期経営戦略、大型投資等の経営課題や各事業部門における重要案件については、取締役会での審議に先立ち、社長、チーフオフィサー、監査役及び議案に関わる経営役員等で構成する「マネジメント・コミッティ」で、さまざまな対応を協議しています。

「業務執行会議」では、社長、チーフオフィサー、経営役員等をメンバーとして、月々の業務執行状況の報告・確認や、各事業・機能における課題等の協議を行っています。また、品質、生産、人事等の各機能における課題を審議する機能会議や、コンプライアンス、リスク管理、サステナビリティ、環境、安全衛生、安全保障貿易取引等の特定事項を審議する委員会を設置し、それぞれの分野における重要事項やテーマについても協議しています。なお、法規認証問題を踏まえ、再出発委員会を設置し、再発防止の取り組みを推進しています。

コーポレート・ガバナンス体制

内部統制

当社は会社法に基づき、2006年5月に「内部統制の整備に関する基本方針」(以下、「基本方針」)を取締役会で決議し、各部門の年度方針や日常管理に織り込んだ上で、コンプライアンス、リスク管理、業務の有効性・効率性の徹底に取り組んできました。

しかし、エンジン国内認証問題の発生を受け、原点に立ち返り、二度とこうした問題を起こさない会社として再出発すべく、再発防止に向けた取り組みを進めるとともに、基本方針を見直し、2024年4月に取締役会で決議しました。

当社は再び過ちを起こさないために、間違いがあれば気づき、立ち止まり、全社員で改善できる風土の醸成に引き続き取り組んでいきます。

また、リスクに適切に対応し最適な経営資源配分を行うための組織・体制を構築するとともに、業務執行の場においては、誠実を貫き正しいモノづくりを行うため、プロセスの中に牽制構造を含む問題発見と改善のしくみを組み込み、その実践を担う人材の育成に努めます。

そして、毎事業年度末に運用状況の評価を行い、必要に応じてしくみの見直しや日常管理の徹底等、次年度に向けた取り組みを確認します。

内部統制評価のしくみ(J-SOX)

さらに当社は、金融商品取引法(J-SOX 法)に基づき、財務報告の信頼性確保に向けた内部統制システムを構築し、その整備・運用状況について、内部監査部門が実効性を評価し、監査法人による監査を受けてきました。
2026年3月期現在の当社グループの財務報告に係る内部統制は有効であると判断し、監査法人から適正である旨の監査報告が提出されています。
今後は、株式の非公開化によりJ-SOX 法の適用対象外となりますが、これまで確立した内部統制システムを最大限に活用し、当社を取り巻くリスク環境の変化に柔軟かつ適切に対応可能な内部統制システムへ再構築を進めます。

その他当社では、内部統制の一環として、倫理に基づく適正な業務運営を確保するため、内部監査部門を中心に、自主点検(自主監査)、業務監査、テーマ監査を実施し、全社的なリスク管理やコンプライアンスの強化に取り組んでいます。監査の対象は、社内全部門及び、国内外主要子会社であり、これによりリスクの早期発見や予防に努めています。

コンプライアンス

基本的な考え方

当社は、2023年3月に日本で公表したエンジン国内認証問題に対する再発防止策を踏まえ、従業員が誠実にビジネスを行うことを保証するために、当社グループ全体でコンプライアンスプログラムの変革を進めています。その一環として、2024年7月にグローバル チーフ コンプライアンス オフィサー(GCCO)を委員長とし、会長・社長を含む経営幹部で構成されるコンプライアンス委員会を設置し、グローバルコンプライアンスプログラムの統括と効果的かつ持続的な運用をはかっています。また、規程類の策定・実施、コンプライアンス研修の実施、新法・法改正の動向や他社事例等の情報収集、コンプライアンスリスクの特定・評価等、適時適切な対応を行っています。その他にも、従業員が疑問や懸念について報復を恐れることなく安心して示せる風土づくりを行うとともに、調査が必要な事案については迅速かつ適切に調査及び対策を実施しています。認証法規や贈収賄・腐敗、独占禁止法違反を含め、当社グループの重大な問題が速やかにGCCO 及びコンプライアンス委員会を通じて取締役会へ報告される体制を整えています。

グローバルコンプライアンス推進体制の整備

2023年6月に設立したリスク統括部がグローバルコンプライアンスプログラムの実行・モニタリング・維持向上を行っています。国内では、社内の各事業部及び関係会社に、リスク統括部の指示のもとでコンプライアンス意識の向上とコンプライアンス活動の実行支援を担うコンプライアンス推進者を任命しました。加えて、トヨタL&Fカンパニー、エンジン事業部、コンプレッサー事業部については、リスク統括部にコンプライアンス責任者を配置し、各事業部本体及びそれぞれが主管する関係会社のコンプライアンス活動を指導・支援しています。海外では、地域を統括する専任組織として、北米及び欧州において、地域内のコンプライアンスプログラムを推進・管理・監督する地域チーフ コンプライアンス オフィサー(RCCO)を任命し、中国において、同国内の関係会社のコンプライアンス活動を管理するコンプライアンス責任者を任命しました。その他の地域でも、それぞれが抱えるリスクに応じてコンプライアンス責任者・推進者を順次任命しています。

グローバルコンプライアンス推進体制の整備

役員の責務

経営役員規則及び執行職規則の禁止事項に、コンプライアンスに関する内容を追記するとともに、違反した場合の報酬への影響についても明記し、法規制や会社の方針に反する事業活動の防止・発見・対処を促しています。

コンプライアンス宣言及びグループ行動規範の策定、研修・意識啓発の強化

コンプライアンス宣言
豊田自動織機 行動規範
社員一人ひとりに配付されているカード。
行動規範へのQRコードや内部通報窓口の連絡先などの情報を掲載。

2024年7月に「正しい業務を正しく行う」ことを示した豊田自動織機グループの「コンプライアンス宣言」を策定しました。また、従来の「豊田自動織機 社員行動規範」を改定し、当社及び連結子会社の役員・社員等に適用される倫理的行動とコンプライアンスに関する行動の規範として「豊田自動織機グループ行動規範」を策定しました。当社及び米国子会社では役員及び全従業員にグループ行動規範を配付し、2024年11月から2025年1月にかけて研修を行いました。今後も年1回の啓発を継続していきます。その他の連結子会社においても、2025年度から、展開・教育を進めていきます。

上記に加えて、エンジン国内認証問題に関する特別調査委員会の調査報告書にて「管理職が問題を報告・相談されたが問題解決に向けた行動を起こさなかった」との指摘を受けたことや反省を踏まえて、2024年2月には管理者コンプライアンス研修を新たに開設し、管理者層に対して、コンプライアンス意識啓発、相談しやすい職場づくり、通報者の不利益な取り扱い禁止、コンプライアンスに関する相談を受けた場合の対応に関する実践的な研修を継続的に実施しています。

その他、当社及び国内連結子会社の従業員のコンプライアンスに対する理解を一層深めるため、eラーニング教材を49テーマ、コンプライアンスミニテストを48テーマ作成・配信し、自主的に学べる環境を整備しています。

また、通年でトップマネジメントから繰り返し、コンプライアンスそのものやコンプライアンス違反の通報・相談の重要性、通報者の不利益な取り扱い禁止について発信しています。さらに、コンプライアンス意識の啓発のためGCCOの思いを、社内向けにコラム「コンプライアンスの窓」として配信しています。

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コンプライアンス提案窓口

2025年2月に社内からコンプライアンスに関する改善・気づき・アイデアを募集する「コンプライアンス提案窓口」を開設しました。コンプライアンス意識の啓発及び積極的な提案の促進のために、実際に改善へ結びついた優れた提案に対しては表彰も予定しています。2025年度は、合計19件の提案を受領し、法規順守につながった事案もありました。今後も提案窓口の周知を行い、表彰制度を整備し、積極的な活用を促進していきます。

内部通報制度による問題の早期発見・未然防止

当社グループでは、従業員や取引先等がコンプライアンスに関して、匿名での通報・相談を含め利用しやすい形で声を上げられるよう、内部通報窓口(ヘルプライン)や取引先通報・相談窓口等を地域ごとに設け、弁護士事務所や社外の専用ウェブサイト等を通じて通報・相談を受け付けています。なお、専用ウェブサイトでは、当社従業員等に加え取引先等の関係者からの当社に関する通報も受け付けており、さらに2025年度には、国内子会社に関する事項を受け付ける専用ウェブサイトを新たに設けるなど、より通報・相談しやすい環境の構築に努めました。

こうした活動により、2025年度は、当社及び国内外の連結子会社において、718件の通報・相談が寄せられ、その内66% が労務管理や職場環境に関する内容でした。受け付けた案件については、社内規程に基づいて、内部通報担当部署等が、通報・相談内容を秘密として取り扱い、事実関係を適切に調査し、対応しています。また、通報・相談を理由とした不利益な扱いは禁止しています。

さらに、内部通報制度の実効性を高めるため、ポスター等による社内向けの案内を通じて、内部通報窓口に関する周知に取り組んでいます。また、当社及び関係会社の全従業員を対象に、行動規範教育として内部通報窓口に関する教育を実施するとともに、当社の昇格者向け階層別教育においても、内部通報制度の周知や通報者の秘密保持、通報者への不利益な扱いや報復の禁止について、教育を行っています。併せて、調査を担当する従業員に対しては調査方法に関する教育を実施するなど、適切な制度運営に向けた取り組みを進めています。

今後も、内部通報制度の周知と改善を継続し、従業員等が不利益な扱いや報復を恐れることなく声を上げやすい環境を整えることで、問題の早期発見と未然防止に努め、「社会からより信頼される企業づくり」を目指していきます。

コンプライアンス意識調査

コンプライアンスへの意識や理解度の動向を把握し、今後の啓発活動の改善につなげるため、2025年7月にコンプライアンス意識調査を実施しました。調査の結果、コンプライアンスを優先する意識や、豊田自動織機グループ行動規範や内部通報窓口等に関する基本的な理解について、90% 以上の肯定的な回答が得られました。調査結果を踏まえ、今後も必要な取り組みを継続的に実施していきます。

安全保障貿易管理の取り組み

輸出取引においては、全社のルールに則り、輸出ごとに輸出規制品目への該当の有無、及び輸出先における武器関連の用途の有無を審査するしくみを構築しています。また、毎年実施する教育における従業員への周知及び監査を通じた運営状況の確認により、当該法令の順守を徹底しています。なお、これらは国内外のグループ各社へ展開し、グローバルに対応しています。

贈収賄・腐敗防止の取り組み

2026年1月の「豊田自動織機グループ行動規範」の改正を踏まえ、当社グループが事業活動を行うすべての地域で適用される贈収賄・腐敗防止法を順守し、豊田綱領に沿って、誠実に事業活動を行うという当社グループの責任を反映し、明示するために、2026年4月に「贈収賄・腐敗防止グローバル規則」を策定し、各国・地域で周知啓発に取り組んでいます。

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独占禁止法遵守の取り組み

独占禁止法については、当社の従業員が競合他社と接触する場合の事前・事後の確認・審査を制度化し、独占禁止法への抵触が疑われるような行為をしないよう周知しています。さらに2015年度からは、独占禁止法順守月間を設け、競合他社との関係や取引先との適正取引(各種コスト上昇による環境変化にも取引先と真摯に対話する必要性等)について関係部門に対する独占禁止法順守の啓発を行っています。また、国内外の連結子会社においては、各国・地域の法令等に応じて、カルテル等の独占禁止法違反を防止するための教育・啓発に取り組んでいます。

税務ガバナンス

基本的な考え方

当社グループ は、「基本理念」に基づき、誠実に社会的責任を果たすことで、社会から広く信頼を得て、長期安定的に企業価値を向上させることを経営の最重要課題としています。
事業活動を行う各国・地域の税務関連法令等を遵守し適正な納税を行うことにより、社会への貢献と企業価値の維持及び向上に努めます。

税務基本方針

当社は上記基本的な考え方の下、「豊田自動織機グループ税務基本方針」を策定しました。

豊田自動織機グループ行動規範に基づき適正な納税・税務対応を行うことを目的として、会計・税務に関する研修やeラーニングなどを通じて従業員に対する教育・啓蒙活動を必要に応じて行っていきます。

新しいウインドウで PDF を開きます 豊田自動織機グループ 税務基本方針 PDF[469.1KB/1ページ]

リスクマネジメント

基本的な考え方

当社は、会社法に基づく「内部統制の整備に関する基本方針」に沿って、リスク管理に関する規程や体制の整備を行っています。リスク管理については、次の項目を基本として取り組んでいます。

  1. リスクの未然防止や低減への取り組みを日々の業務の中に織り込み、その実施状況をフォローすること。
  2. リスクが顕在化した場合には、迅速かつ的確な緊急対応により、事業や社会への影響を最小化するための適切な行動を徹底していくこと。

推進体制

当社は毎年、品質、安全、環境、人事労務、輸出取引、災害、情報セキュリティなどにおけるリスクの未然防止や低減への取り組みを、各事業部および本社各部門の活動方針に織り込み、推進しています。その中で、エンジン国内認証問題の再発や新たなコンプライアンス違反を防止するため、全社の業務に関わる法規を洗い出し、コンプライアンスに関わるリスク評価を実施し、コンプライアンス違反の未然防止や低減の取り組みにも注力しています。

リスク管理委員会で、全社に関わるリスクから特に重点となるもの(重点リスク)を洗い出し、各機能会議体での対策や、複数の機能にわたる新たなリスクへの対策につなげる活動を推進しています。

こうした重点リスクへの対応を含め、各事業部および連結子会社のリスク管理レベルの向上を支援するため、本社の安全、品質、環境などの各機能部門は、連結子会社を含むグループ全体的な視点で規則やマニュアルを制定し、業務監査や現場点検などで確認・フォローを行っています。

当社では、「リスク対応マニュアル」を整備し、平時のリスク管理活動の他、リスクが顕在化した有事の際の初動として、経営トップへ迅速に報告し、社会や事業活動への影響の大きさを見極め、適切な対応で被害を最小化するための基本ルールを定めています。内容については、事業や取り巻く環境の変化を考慮して都度確認し、必要に応じて改訂しています。

リスクマップ
リスクマネジメント体制(情報セキュリティ推進体制を含む)

情報セキュリティ

基本的な考え方

当社は、「基本理念」及び「サステナビリティ方針」に基づき、「お客様・従業員・取引先等の個人情報及び技術・営業・設備・商品に関わる情報は守るべき資産である」という認識に立ち情報資産の保護とその管理強化を推進することを目的として、情報セキュリティ基本方針を定めています。

情報セキュリティ基本方針

  1. 法令遵守
    情報セキュリティに関連する法令等を周知、遵守する。
  2. 安定した基盤の維持
    情報資産を適切に管理・保護し、また情報セキュリティに関する教育・啓発を継続的に行い、安定した経営基盤の維持に努める。
  3. 安全な商品・サービスの提供
    商品・サービスの開発・設計・製造等、自社の事業活動において、情報セキュリティの対策を講じることにより、お客様や社会に対し、安全な商品・サービスを提供する。
  4. 情報セキュリティマネジメント
    情報セキュリティを運用・管理するためのガバナンス体制を構築し、継続的な推進及び改善を行う。

推進体制

「リスク管理委員会」(委員長:リスク統括責任者※1)の下部組織として「情報セキュリティ会議」(議長 : ITデジタル推進担当役員)を設置し、製品・生産を含む事業活動及び関係会社・仕入先を含むサプライチェーン全体を対象として、情報セキュリティリスクの低減に取り組んでいます。情報セキュリティ会議での取り組みを徹底するため、当社の各部門で機密管理責任者※2、機密管理推進者※3を選任しています。国内外の連結子会社へは、各地域で定期的にIT 管理者会議を開催し、社内外の事例及び対策情報の共有や方針の展開等をしています。仕入先へは勉強会を実施することにより、情報セキュリティ意識の向上に取り組んでいます。

※1:リスク統括担当役員
※2:各部門の部門長
※3:部門長が指名した部内の推進担当者

情報セキュリティマネジメント

情報セキュリティ監視とインシデント対応

サイバー攻撃や情報セキュリティ上の脅威に対して、当社グループとして状況の把握と適切な対応を行う体制を整え、インシデントの未然防止及び、サイバー攻撃による被害の最小化に取り組んでいます。また、国内外の連結子会社と連携しながら、脅威動向やリスクを踏まえた対応を行うとともに、グループ全体でのサイバーリスク低減に努めています。

グローバルにおけるセキュリティガバナンス強化

オールトヨタセキュリティガイドライン(ATSG)※4に基づき、国内外の連結子会社を含めた情報セキュリティレベルの継続的な維持・向上に取り組んでいます。また、グループ全体の状況を踏まえながら、必要に応じた確認や改善を行い、事業環境の変化や新たなリスクにも対応できるガバナンスの強化をはかっています。

※4:NIST CSFやISO27000シリーズに準拠したトヨタグループでのセキュリティガイドライン

情報セキュリティ意識の啓発強化

各部門の業務特性に応じたリスクについて、自主的に推進できる体制構築を目指し、役職に応じた教育・啓発・訓練により、全社員の情報セキュリティ意識向上に取り組んでいます。

外部専門家を招いた経営層向け講演会
外部専門家を招いた経営層向け講演会

知的財産活動

基本的な考え方

当社は、社祖 豊⽥佐吉の精神を受け継いで制定された豊⽥綱領の「研究と創造に心を致し、常に時流に先んずべし」に基づき、研究と創造に積極的に取り組んでいます。その成果である発明やノウハウ等の知的財産権を通じて各事業の戦略に活かしています。また、国内外で知的財産権を確実に取得し、侵害防止に努めることで、知的財産の保有を通じた企業価値の向上に取り組んでいます。

技術ロードマップに沿った知的財産活動

2030年ビジョン達成に向けて新たな価値の創出につなげるべく技術開発を進めている中、当社は、技術開発部門が策定する技術ロードマップに照らし、どのような知的財産が事業において必要かを検討することに加え、競合の事業戦略等も見ながら、競争優位なポジションを築くための戦略を構築しています。

当社の事業領域は、IoT、AI、自動運転及びカーボンニュートラル等の新たな技術分野へと拡大しています。こうした変化に対応するため、従来の知的財産権に加え、ノウハウ・ソフトウェアを含む知財・無形資産の創出を強化しています。当社は、IPランドスケープ※1を専門とするグループが、業界の動向や将来性を探索し、開発のスピードアップや事業戦略の立案に資する知的財産情報をタイムリーに展開することで、事業を支援しています。

※1:知財情報を活用して、事業・技術戦略の意思決定を支援する分析手法

知的創造サイクルの好循環

当社では、知的創造サイクルのさらなる好循環をはかるため、「活用」の活性化に⼒を入れて取り組んでいます。

まず「創造」の段階では、事業部が技術開発を通じて生み出した発明を適切に「発掘」し、知財アセットとしての基盤を整備しています。次に「保護」の段階では、発明を知的財産権として法的な保護が可能な領域へと昇華させ、特許権取得のための出願権利化の手続きと技術⽀援を事業部とともに遂⾏しています。そして「活用」の段階では、得られた特許権を市場優位性の確保や収益への貢献につなげるため、第三者へのライセンスや、意匠、商標、著作権を含む知財ミックスによって、権利活用の活性化をはかっています。

知的創造サイクル

当社の強みを活かす知的財産活動

当社は、企業価値向上に向けて、ソリューション、モビリティ関連、シナジーの領域で、⾼い競争⼒を持つ知的財産の創出に取り組んでいます。

「ソリューション領域」では、物流ソリューション事業を中心に、他社連携/M&Aを通じて、自社の強み・弱みを相互に補完しながら、強固な特許網の構築を進めています。

「モビリティ関連領域」では、成⻑事業である「電動化」で競争⼒を⾼めるべく、当社の基盤事業であるコンプレッサー及びエレクトロニクス事業で培われた知的財産を活用するとともに、知的財産情報に基づく新たな発明の発掘を進めています。

「シナジー領域」では、ソリューションとモビリティ関連の両輪を強みに、FC(燃料電池)、AI、電池等の分野で、知財の情報分析スキルを向上させ、イノベーションを促進させる活動を進めています。

当社保有知的財産の社外評価

当社の保有する知的財産は、社外からも高い評価をされています。その一例として、公益社団法人発明協会が主催する2025年度全国発明表彰において、レベル4自動運転※2に関するトーイングトラクターの意匠が「内閣総理大臣賞」を受賞しました。本賞の受賞は当社としては初となります。今回の受賞は、トーイングトラクターのレベル4自動運転の実現に必要なセンサ類の機能要件と美的要素を調和させた機能的意匠が評価されたものです。今後も、新たな価値を提供する製品の開発を通じて、社会課題の解決に貢献していきます

※2:特定条件下における完全自動運転。特定条件下においてシステムがすべての運転タスクを実施

意匠のポイント
センサの機能要件と意匠性の二律背反を両立

SMART Tough

先進技術や知性を象徴する「SMART」と、頑丈さを体現する「Tough」の融合を表したトヨタL&Fカンパニーのデザインフィロソフィー

意匠第1700574号 自動運転トーイングトラクター