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豊田自動織機、エルゴノミクスに基づく作業姿勢分析システムを開発

~現場作業の身体的負荷を軽減し、高年齢作業者でも働ける工程づくりの評価に導入~

株式会社豊田自動織機(社長:大西 朗)は、安全で快適な職場環境の整備をねらいとした、エルゴノミクス※1に基づき製造工程を評価するための作業姿勢分析システムを開発しました。
本システムは、ビデオカメラで撮影した作業の映像データから、独自のアルゴリズム※2によって作業者の作業姿勢を高精度に測定して、身体的負荷を自動で評価します。従来は人手に頼っていた目視による作業姿勢の測定および身体的負荷の評価が自動化されたことにより、評価時間を大幅に短縮するとともに、より正確に評価することが可能になりました。
2020年中頃から当社高浜工場を中心に導入を開始し、2021年5月からは国内全工場で作業改善に活用しています。

近年、社会課題となっている高齢化への対応は、当社においても重要課題の一つとして取り組んでいます。特に製造工程については、高年齢作業者※3も安全で快適に従事できるよう、作業姿勢をはじめとする、身体に負荷がかかる要素を定量的に評価の上、作業改善などの対策を継続して実施しています。

今回開発した作業姿勢分析システムは、映像内の作業者の中から評価対象者のみを自動で特定し、2次元の骨格を抽出します。さらに、人物の体の向きを考慮して3次元の骨格を推定することで腰や膝の角度を高精度に測定※4し、身体的負荷のレベルに応じて作業姿勢点を算出します。こうして得られた評価結果を分析映像とグラフで可視化することで、身体的負荷の高い作業姿勢と改善すべき点の判別を容易にしています。これにより1工程あたりの評価時間を従来方法から約85%低減し、大幅な効率化を実現しました。

2021年度は、より安全で快適な職場づくりを目指して、高年齢化対応以外の作業改善にも本システムを積極的に活用し、利用件数※5は約1,200件、評価時間は約1,540時間の低減を見込んでおります。今後は収集した作業映像をデータベース化し、改善事例を全工場で共有することで作業改善を効率化したり、分析データを比較することで作業訓練を効率化するなど、さらに幅広い活用も検討していきます。

※1 エルゴノミクス:人間工学。人間が可能な限り自然な動きや状態で使えるように物や環境を設計し、実際のデザインに活かす学問
※2 アルゴリズム:計算処理手順
※3 50歳以上の従業員
※4 (撮影角度など)特定条件下で撮影された映像から作業姿勢の角度を測定した場合、誤差±10度
※5 2020年度の利用実績から算出

【作業姿勢分析システムによる評価結果】

<分析映像>

  • 映像内の作業者の中から評価対象者のみを自動で特定し、2次元の骨格を抽出(図左)
  • 体の向きを考慮して3次元の骨格を推定し、腰や膝の角度を高精度に測定(図右)
  • 身体的負荷のレベルに応じて算出された作業姿勢点と姿勢名称を字幕で表示(図中央下)

<作業姿勢点グラフ>

  • 映像時刻毎に、腰や膝の角度(折れ線グラフ)を基に作業姿勢点(棒グラフ)を算出し色分け表示
  • 身体的負荷および改善すべき点を容易に判別することが可能

以上

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