豊田自動織機、樹脂ウインドウの「低コスト化」、「大型化」を実現する新工法を開発

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株式会社豊田自動織機(社長:大西 朗)は、自動車向け樹脂ウインドウの「低コスト化」と「大型化」を実現する、新たなハードコート剤と、革新的な新工法を、このたび開発いたしました。

ポリカーボネート製樹脂ウインドウは、ガラスの約2分の1の軽さで割れにくい特性や、自由な形状に成形できる特性を有しており、自動車の軽量化、安全性、デザイン性に貢献する素材として注目されています。
豊田自動織機では、これらの樹脂の素材特性を生かしながら、自動車の窓に必要な10年以上の耐候性能と耐擦傷性能を発揮する独自のハードコート剤や、品質とコストを両立する工法の開発に取り組んでまいりました。

今回新たに、耐候性能と耐擦傷性能を維持しながら、耐曲げ性に優れるハードコート剤を開発し、ポリカーボネートシート※1にハードコート剤を塗布してから熱成形を行うという、製造プロセスの抜本的な見直しを行いました。このシンプルな新工法により、ポリカーボネート樹脂を射出成形した後にハードコートを塗布する従来工法による製品に比べ、約4割のコスト低減と約2倍の大型化を可能にしました。
脱炭素社会の実現に向けた取り組みが世界的に広がる中、自動車業界においては、車体軽量化による燃費向上のニーズが一層高まっており、樹脂ウインドウへの期待も高まっております。このたびの新ハードコートおよび新工法の開発により、こうした期待に応える樹脂ウインドウを提供してまいります。

豊田自動織機は、1990年代に樹脂ウインドウの開発をスタートし、20年以上の開発実績と量産車への搭載実績を有しております。今後さらに樹脂ウインドウの高付加価値化を進め、未来のモビリティに最適な製品の開発に取り組んでまいります。

なお、新開発の樹脂ウインドウは、5月26日(水)~7月30日(金)にオンラインで開催される「人とくるまのテクノロジー展2021オンライン」の、帝人株式会社の出展サイトにて紹介させていただきます。
(会場URL:https://aee.expo-info.jsae.or.jp/ja/online/

※1 帝人株式会社製 ポリカーボネート樹脂「パンライト」シート

<新開発の樹脂ウインドウの特徴>

  • 低コスト(従来比 約4割減)
  • 最大3m2までの大型製品への対応が可能

<低コスト化・大型化を実現する新製造プロセス>

新工法で製造した樹脂ウインドウ(パノラマルーフ)

以上