ANAグループが目指すSimple & Smartな空港地上支援業務の将来モデルを公開

~国内初の航空機向けコンテナ用手荷物積み付けロボットと無人搬送の接続による一連の工程を自動化~

ニュースリリース 製品・技術

全日本空輸株式会社
株式会社豊田自動織機

  • ANAと豊田自動織機は、共同開発した「手荷物積み付けロボット」と運転者が乗車しない「自動運転トーイングトラクター」を接続させた実証実験を九州佐賀国際空港にて実施します。
  • 実証実験を通じて、技術面および運用面の課題を早期に洗い出すとともに、前後工程との連携や業務の効率化に向けた検証を実施し、新たな空港地上支援業務モデルの構築につなげていきます。
  • 両社は、Simple&Smartな空港オペレーションの実現に向けて、今後も継続して連携を強化していきます。

全日本空輸株式会社(以下、ANA)と株式会社豊田自動織機(以下、豊田自動織機)は、12月14日から12月18日の間、ANAが九州佐賀国際空港の貨物上屋※1に設置したオペレーション実験場、および上屋前の制限区域※2内専用エリアにて、ANAグループが目指すSimple & Smartな空港地上支援業務の将来モデルの実証実験を行います。

両社が新たに共同開発した手荷物積み付けロボットによるコンテナへの自動積み付けと、これまで実用化に向けて継続的に取り組んできた自動運転トーイングトラクター※3による無人搬送の接続を通じて、お客様の手荷物を航空機に搭載する一連の工程の自動化に取り組みます。

共同開発したロボットは、新開発のロボットハンドと独自の積み付けロジックを採用し、これまで手荷物ハンドリング工程の中でも最大の課題であったコンテナへの自動積み付けを可能にした、国内初の航空機向けコンテナ用手荷物積み付けロボットです。

今回の実証実験を通じて、手荷物積み付けロボットと特定条件下での無人搬送を接続させた際、安全性ならびにオペレーター視点での使いやすさ、作業効率向上による省力効果等を検証し、将来の本格導入に向けた課題の整理ならびに今後の具体的な開発・業務設計につなげていきます。

航空機向けコンテナ用手荷物積み付けロボット
自動運転トーイングトラクター

※1 貨物の荷捌きと一時保管を行う施設
※2 滑走路その他の離着陸区域、誘導路、エプロン、管制塔、格納庫その他、立ち入りが制限されたエリア
※3 空港等で、手荷物・貨物を収容した荷車・コンテナ等を牽引する車両

<航空機向けコンテナ用手荷物積み付けロボットの概要>

1.主な特徴

  • ソフト・ハード双方のスーツケースを縦向き・横向きどちらでも積み付け可能
  • スーツケースのサイズ情報を読取り、高効率かつ荷崩れの少ない積み付け位置を演算し、並び替えながら2つのコンテナへ同時に積み付け

2.仕様

積付速度 平均25秒/個
対象形状 キャスター付スーツケース(ハード・ソフト)
対象サイズ 幅350~510mm 長さ400~750mm 高さ200~300mm
対象重量 35kg以下

<自動運転トーイングトラクターの走行概要>

これまでは、緊急時対応のため運転者が乗車しての自動走行でしたが、今回の実証実験では、運転者は乗車せず自動走行いたします。

走行コース 貨物上屋内~貨物上屋外~貨物上屋内
(制限区域内での無人自動運転。約260m/周)
車両 自動運転トーイングトラクター(TE152)
速度(最大) 15㎞/h。上屋内は5km/h

ANAと豊田自動織機は、国土交通省による航空イノベーション推進の一環として、生産年齢人口減少に伴う労働力不足等に対応するべく、今後も両社の連携をさらに強化し、空港支援業務におけるSimple&Smart化の実現に向けて、新技術の開発や実用化に向けた取り組みをより一層加速していきます。

以上