従業員

安全・安心に働くことはもとより、多様な人材が能力を発揮し、いきいきと働くことができるよう取り組んでいます。

人事労務管理

基本的な考え方

当社は、一人ひとりのやる気に満ち溢れたチームづくりを推進し、個の力と組織の力の最大発揮をはかることを基本的な考え方として、さまざまな取り組みを行っています。

やりがい・働きがいの向上

従業員意識調査回収率(単体)

一人ひとりが成長し、自分らしく持てる力を発揮してやりがい・働きがいを感じるために、風通しの良い職場づくりが大切です。

当社では、上司・先輩が率先して、メンバーが発言・提案しやすい風土づくりに取り組み、メンバーの困り事や悩みにも真摯に対応する関係づくりを進めています。
そのために、年間を通じて労使間で話し合い、全員参加で取り組んでいます。

また、全社的な意識調査を毎年実施し、職場の風土、個人の成長意欲・成長実感、上司のマネジメントなどさまざまな観点で声を吸い上げ、課題・対策を明確にして取り組んでいます。

人材育成・活躍の促進

先行きが不透明で、さまざまな変化のスピードが増している環境に対応できる「しなやかで強い組織づくり」に向け、「自ら変えていく、変わっていく人材の育成」に取り組むとともに、従業員の挑戦を後押ししています。

OJT(業務を通じた育成)

一人ひとりの役割・テーマの設定~指導~評価・フィードバックというOJTのサイクル

一人ひとりの役割・テーマの設定~指導~評価・フィードバックというOJTのサイクルを大切にして、各職場で人材育成に取り組んでいます。

上司と部下との面談
上司と部下との面談

具体的には、年度初めに上司と部下で話し合って役割・テーマを決めるとともに、上司から成長期待・目標を伝えた上で日々の指導・育成を行っています。
そして、半期ごとの面談で、上司が部下の強み・改善が必要な点をフィードバックすることで、さらなる成長・活躍につなげています。

また、今後は、上司の成長を目的とした360度フィードバックも取り入れ、上司が自らの行動を振り返り、自己変容につなげる機会としていきます。

加えて、従業員が成長・活躍志向を職場に申告できるしくみを設けるとともに、希望する業務にチャレンジできる社内公募制度を充実させることで、キャリア自律を支援していきます。

Off-JT(研修)

研修のイメージ
研修のイメージ

新入社員研修、昇格者研修、専門知識・能力を習得する講座など、職場での実践につながる各種研修を実施しています。
これら研修は、国内関係会社からのニーズに基づき、その従業員も受講できるものとなっています。

また、グローバルでの人材育成として以下の3つを柱にして取り組んでいます。
①グローバルリーダー研修
②人材交流(海外出向・海外研修、海外事業体社員を当社に受け入れるICT制度)
③海外事業体で実施する豊田自動織機グループ共通の価値観研修

■従業員一人当たりの年間研修時間:6.1時間(2022年度)

自己啓発支援

従業員の知識・視野の拡大や自発的に学ぶ意欲を高めるために、自己啓発や自主研究の機会・場を提供するとともに、自己啓発を支援する手当も支給しています。

時間や場所にとらわれない働き方

従業員が高い生産性を発揮できるよう、時間や場所にとらわれない柔軟な働き方ができる制度・環境の整備に取り組んでいます。
「コアタイムのないフレックスタイム制度」、「サテライトオフィス」、「裁量労働制」に加え、「在宅勤務制度」を拡充するなど、働き方の選択肢の多様化に取り組んでいます。

多様な人材の活躍推進

環境変化・お客様ニーズの多様化に柔軟に対応して新たな価値を生み出すために、さまざまな考え・価値観を持つ人材が最大限能力を発揮し、共創できる組織をめざしています。

性別、年齢、国籍、人種、宗教、性的指向、性自認、障がい、経験、価値観など目に見えない違いも含め、従業員がお互いの違いを認め合い、尊重し合う組織風土の実現に向けた取り組みを進めています。

女性の活躍推進

性差なく一人ひとりが活躍できることをめざし、意識改革・女性のキャリア支援・柔軟な働き方の推進などの切り口でさまざまな取り組みを行っています。

加えて、生産現場の女性従業員が第一線で働き続けることをめざし、「技能職女性向け働き方セミナー」、「上司向けの女性部下育成セミナー」を開催しています。

これらの取り組みの結果、「えるぼし」の認定を受け、「あいち女性輝きカンパニー優良企業表彰」を受賞しました。

女性理事・基幹職人数と全理事・基幹職人数にしめる割合(単体)
あいち女性輝きカンパニー
女性が活躍しています!
セミナーの様子
キャリア面談実践研修

女性活躍推進の目標と主な取り組み

目標① 女性管理職比率:目標を定めた'14年度時点に対し、
'24年度に2倍(2.4%)、'30年度に3倍(3.6%)
実績 '14年度の1.4倍(1.7%)('22年度末現在)
取り組み例 管理職向け意識啓発セミナー、女性向けキャリア形成研修、
個別育成計画の立案・運用、ロールモデル交流会、
育児休職前セミナー、宅配ロッカーの社内設置
目標② 女性新卒採用比率:事務職40%、技術職10%
実績 事務職57%、技術職8%('23年4月入社者)
取り組み例 女性学生向けの採用イベントの開催、
トヨタ女性技術者育成基金の取り組みへの参画
目標③ 男性育児休職取得率:'25年度に30%
実績 32.5%('22年度)
取り組み例 育児休職前セミナーへの夫婦参加促進、
育児支援制度・両立支援事例などの社内周知

新しいウインドウで PDF を開きます 女性活躍推進計画 PDF[113.7KB/1ページ]

障がいのある方への取り組み

障害者雇用率(単独)、法定雇用率

「障がい者と健常者が一緒に仕事をし、働きがい・生きがいを共有する」という基本的な考えのもと、毎年継続的に障がい者の採用を行い、入社後は公平な成長・活躍機会が得られるように研修時の手話通訳士の派遣、コミュニケーション支援ツールの準備、相談員の設置などを行っています。

年齢によらず活躍し続けられる職場づくり

幅広い年齢層のいる職場
ベテラン層デジタル実践教育

幅広い業務経験・視野を持つベテラン層が、職場テーマ実践を通じてデジタル技術の知識・活用ノウハウを学ぶ「ベテラン層デジタル実践教育」を実施しています。
教育を通じて自らの知識・スキルを高めることに加え、職場にも貢献しています。
教育後は、各職場でデジタル技術活用を推進する立場として活躍しています。

また、高年齢者が生産現場でいきいきと働くことができるよう、身体的負担を減らしたラインづくりを進めています。
取り扱う重量や作業環境などについて高年齢者に配慮した基準の設定や、デジタル技術の活用による生産現場の工程改善などを行っています。

仕事と家庭の両立支援

プラチナくるみん
愛知県ファミリー・フレンドリー企業表彰

仕事と家庭の両立に取り組む従業員が高い目標を持って活躍し、キャリアを形成できるよう、両立支援制度の充実、両立に対する理解促進を柱に取り組みを進めています。

これらの取り組みの結果、「プラチナくるみん」の認定を受け、「愛知県ファミリー・フレンドリー企業表彰」を受賞しました。

仕事と介護の両立支援ハンドブック
両立支援制度の
充実
事業所内託児所の設置、育児のための短時間勤務制度、
不妊治療のための公休・資金貸与制度、
育児・介護・配偶者の転勤による退職者の復職制度など
両立に対する
理解促進
仕事と育児の両立支援ハンドブックの配布、
仕事と介護の両立支援ハンドブックの配布、
仕事と介護の両立セミナー、介護ニュースの配信など

外国人の仲間とともに

長年にわたり海外での事業展開を続け、現在の海外拠点数は236社、そのうち200社以上で現地人材が社長を担っています。
また、海外で勤務する従業員は約5万人で、豊田自動織機グループの全従業員のうち約7割を占めており、ともに事業活動を行っています。

キャリア採用の取り組み

外部から多様な知見を取り入れるためにキャリア採用を強化しており、2023年度の事務職・技術職のキャリア採用者数は、総合職採用者数の30%を計画しています(2022年度は20%)。
自らが希望する事業部・職種で入社し、入社後の導入研修を経て、各職場で活躍しています。

安全衛生

基本的な考え方

当社では、社是にある「温情友愛の精神」の考え方に基づき、「安全の拠りどころ」、「めざすべき姿」について協議を重ね「安全ビジョン」を2013年に制定し、豊田自動織機グループ全拠点に展開しています。

安全ビジョン
安全ビジョン

安全衛生の推進体制

「安全と健康をすべてに優先させる」ことを基本に、中央安全衛生委員会や工場安全衛生委員会などを通じて、労働災害および職業性疾病の撲滅に取り組んでいます。

安全衛生マネジメントシステム

「労働安全衛生マネジメントシステム(OSHMS※1/ISO45001)」の考え方に基づき、各工場安全衛生委員会委員長(経営役員など)をトップとした各工場(事業部)の管理体制の整備や、リスクアセスメントを基軸とした人・物・管理面での安全衛生活動の改善を継続的に行っています。
※1:Occupational Safety and Health Management Systemの略。

管理体制
安全衛生活動の改善の流れ

安全衛生教育による災害・疾病の未然防止

安全に関する研修受講者数(単体)

災害や疾病の未然防止に必要な知識・意識・技能を身に付けるために、法律で定められた知識・技能習得教育、安全衛生意識向上教育の他、階層別教育、職種別教育など、安全衛生教育に積極的に取り組み、安全第一を実践できる人づくり・職場づくりを推進しています。

  • 資格取得(個人スキルの習得)
    免許、技能講習、特別教育、能力向上(繰り返し)教育
  • 安全衛生意識向上
    危険予知能力向上教育、危険体感教育(安全道場)
  • 階層ごとの役割への対応
    新入社員研修、技能職3年目研修、新任SX・CX研修、新任職長教育、安全衛生管理者教育
  • 職種別、事業特性への対応
    異常処置教育、ロックアウト教育、設備安全検査員教育、VR安全体感教育

労働災害の再発防止と未然防止による安全な職場づくり

2019年の重大災害発生以降、「機械動力による挟まれ・巻き込まれ災害ゼロ」をめざし、安全装置を無効化して設備内に進入する際は、確実に動力遮断するしくみを新設・既設設備に導入しています。
また、設備安全保証体制(設備停止範囲・制御区分の見える化や必要なスキルを持った設備安全検査員による安全機能チェックなど)を再構築し、物的・管理的対策のレベルアップを継続的に推進しています。

それらに加え、作業中の近道・省略行為、危険軽視など、作業者自身の不安全行動に伴なう災害を未然防止するための取り組みも重要と考え、人的対策の一環として、2022年度より個人の行動特性(危険に対する感受性と敢行性※2)を定量的に把握する方策に取り組み始めました。
この取り組みを今後も継続し、人的要因による災害・疾病の未然防止に繋げていきます。

今後も「異常が発生したら必ず止めて、本質的な対応(根本原因を取り除く)を実施する」という考え方に基づき、安全な職場・人づくりを継続していきます。

※2
危険感受性:危険を危険と感じ取れること。
危険敢行性:危険だと感じていても敢えて危険を受け入れた行動を取ること

重大災害件数(連結)
休業度数率(単体)
強度率(単体)

健康

基本的な考え方

当社は、「高年齢化やストレス増大などからくる健康障害のリスクに対応した健康づくりの推進」を中期的な課題として、生活習慣病予防とメンタルヘルス支援活動を中心に、従業員の健康づくり活動を推進しています。従業員一人ひとりがいきいきと第一線で働けるよう、自身の健康と向き合い自らの意思と意欲で行動できる、自立した健康文化の醸成に向けてサポートを行っています。

生活習慣病予防

節目健康教室
節目健康教室

会社・労働組合・健康保険組合の三者協働事業として、全従業員を対象とした年代別健康教育(30歳から5年ごと)の一環として「節目健康教室」を開催しています。健康づくりへの動機づけとして、定期健康診断の結果に加え、生活習慣改善へのアドバイスをフィードバックしています。
2019年度からは体力の維持増進意識の向上をねらいに、自身の体力の傾向と対策、労働体力充足度や体力年齢の評価、推奨する体力増進運動などに関する情報を提供しています。

健康チャレンジ8

さらに、2021年度からは日常的な生活習慣を8項目でスコア化し、その適正化を促進するため、「健康チャレンジ8」活動を推進しています。
2022年度は2021年度からの課題であった従業員への活動の浸透、従業員のヘルスリテラシー※3向上に向けて、個別アプローチとして調査結果のフィードバックに加え、行動変容を促す健康情報提供を実施しました。
社内全体へのアプローチとして、工場安全衛生委員会の場を通して、「健康チャレンジ8」活動の意義と各項目の職場で実施できる生活習慣改善プログラムの情報提供に注力しています。

労働人口の減少や高齢化の中で、従業員の体力の維持が必要不可欠である一方で、運動習慣を実践している従業員が他の生活習慣項目に比べ低いという結果がでています。
その対応として、従業員が、少しの休憩時間や業務後などに運動できる仕掛けや取り組みを、今後進めていきます。

BMI25.0超過者への保健指導
体組成計を活用した減量指導プログラム

また、メタボリック症候群の予防・改善の取り組みとして、節目健康教室の開催やBMI25.0超過者への保健指導に加え、新たに体組成計を活用した減量指導プログラムを実施しました。
その結果、対象者における体脂肪率・内臓脂肪レベルの減少、および行動変容レベル改善などの効果がみられました。
体組成結果は自身の体型の視える化ができ、変化(効果)が分かりやすいという声も得られ、今後も定期健康診断および保健指導に体組成計を活用し、自身の変化への関心とともに、行動変容への動機づけにつなげられるよう計画しています。

※3:ヘルスリテラシー:「健康情報を入手し、理解し、活用するための知識、意欲、能力」

2022年度の主な健康づくり企画

メンタルヘルス支援

メンタルヘルス支援体制の拡充
主な活動指標の推移
※7:2020年3月以降新型コロナ予防のため一時休止。2021年は7~12月の開催のみ。
※8:8つの健康習慣(①適正体重 ②朝食 ③間食 ④睡眠 ⑤運動 ⑥飲酒 ⑦禁煙⑧ストレス)実践数の平均値。8点満点。
※9:職業性簡易ストレス調査素点換算表より判定。(5段階評価のうち、1:高ストレス、3:全国平均、5:低ストレス)

メンタルヘルス支援活動においては、健康に関する相談窓口を設け、早期に相談できる体制を整えています。
また、セルフケア・ラインケア教育の充実をはかり、新規発症の予防に努めるとともに、長期休職者への復職支援プログラムの運用により再発防止に努め、一定の成果をあげています。

早期発見活動としては、直属上司によるラインケアに注力しています。
チェックシートの活用などにより、直属上司が部下の変調に早期に気付ける視点の啓発活動を実施し、実施状況について面談やアンケートで確認しています。
その結果、職場と健康推進部門との連携が強化され、軽症段階での早期発見につながる事例が増えてきました。

また、2016年度より年1回、全従業員を対象にしたストレスチェックを実施しています。
本人と職場に対し、改善策を添えて結果をフィードバックするとともに、社内独自で判定した高ストレス者に対し個別に受診勧奨を実施するなど、希望者への医師による面談や支援が必要な職場への改善支援を行っています。

新型コロナウイルス感染症への対応

新型コロナに対して、2021年度に引き続き希望者全員に当社施設内において、ワクチンの職域接種を実施しました。
また、政府や自治体の発信する感染警戒レベルに沿って、「感染症対応マニュアル」を都度改訂するとともに社内に周知し、適切に対応しました。
その経験を活かして、今後新たに新型コロナが変異した場合や未知なる感染症が発生した場合に想定されるあらゆるリスクへの対応方法をまとめた「感染症BCP基本計画」を策定しています。

企業スポーツの取り組み

従業員の一体感醸成、また地域社会への貢献と共生を目的に、スポーツ活動を推進しています。特に、ラグビー、女子ソフトボール、女子陸上競技に力を入れており、日本国内でトップクラスの活躍をする選手が多く在籍しています。

企業スポーツの取り組みの詳細はこちら