【ピックアップ】トヨタ新型BEV「bZ4X」搭載の当社製品とBEVのしくみ

お知らせ 製品・技術

トヨタ自動車株式会社が、5月12日より販売をスタートした新型BEV「bZ4X」に採用された当社製品と、BEVのしくみをご紹介します。
※電気自動車

bZ4Xを支える当社製品

車載充電器・DC-DCコンバーター一体ユニット

充電・電力交換・電力分配の機能を集約した機器、ESU(Electricity Supply Unit)がトヨタ製BEVとして初めて搭載されています。当社は、3つの機能のうち充電と電力変換を担う、車載充電器およびDC-DCコンバーターを一体化したユニットを開発し、採用されました。従来の別体での搭載と比較して23%の小型化と17%の軽量化に成功し、車内空間の自由度の確保やbZシリーズに初採用されたBEV専用プラットフォームの低重心化に貢献しています。

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ACインバーター

車載バッテリーの直流電圧を交流電圧に変換し、車内で家電製品を使用できるようにするのが、ACインバーターの役割です。bZ4Xに搭載されるバッテリーは、HEVやPHEVよりもはるかに大きく、従来のACインバーターでは耐えられない電圧が入力されることもあります。今回、部品耐圧を見直しその配置を変更することで、高電圧に耐えられるACインバーターを完成させました。

電動コンプレッサ―

bZ4Xでは、車内空調のほか、バッテリーの冷却時もコンプレッサーを駆動させる必要があり、能力の増強が求められました。さらに、BEVはバッテリーの冷却(充電)時はもちろん、運転時にエンジン音がしないので、コンプレッサーの静粛性に対する要求は、より厳しくなります。スクロールやハウジングの形状を変更することで、この背反する条件をクリアすることができました。

BEVってどんなクルマ?

Battery Electric Vehicle(電気自動車)の略。バッテリーに蓄えた電気でモーターを駆動して走行するクルマです。エンジンやトランスミッションなど複雑な機構をもつ部品が不要なため、ガソリン車と比べ、構造がとてもシンプル。走行時にエンジン音がしない静かなクルマです。

豆知識1 電費は小さい方がいい!
ガソリン車の場合「1Lの燃料で何㎞走ることができるのか」を示したものを「燃費」といいますが、BEVでは「1km走るのにどれだけの電気が必要か」を「電費」ということが一般的です。つまり、数字が小さくなるほど、小さい電力で長い距離を走れることを意味します。

豆知識2 バッテリーが大きければいいとは限らない
搭載するバッテリーを大きくすれば、BEVの航続距離は長くなります。しかし、その分、車重は重くなり、電費は悪くなります。また、バッテリーの大きさに比例して車両価格も高額になります。実用的かつお手頃なBEVの実現には、バランスのよいバッテリーサイズの追求と各部品の電費向上が不可欠です。